CONTENTS

恋と化粧品

恋愛をするときれいになりたい気持ちはとどまる事を知らない。
私も例にもれず、好きな人ができますますお化粧するようになった。
お化粧品というのは大学生にとってかなり高額。
もちろんかわいい服もほしいし、かわいいバックもほしい。でもきれいにも思われたい。けどお金は限られている。
そのころの私が削ったものは食費だった。
食べなければダイエットにもなるし、やせてきれいになれると疑わなかった。
一人暮らしでただ得さえ偏っていた栄養はさらに減らされる事になったけど、不思議と体を壊す事はなかった。
そのころには、化粧液、乳液が別れていることも知ったし、美容液も保湿ジェルも季節に合わせて付けていた。
化粧下地を付けて、ファンデーション、まゆ墨、アイシャドー、アイライン、マスカラ、チーク、ハイライト、口紅、グロス・・・。
どんどん足されていったお化粧品の方法は、一度覚えてしまうと全ての工程をしないと物足りなくなる。
どんなに時間がかかってもお化粧だけはぜんぜん苦痛じゃなかった。
楽しくて楽しくてマスカラはどんどん伸びていって、肌はどんどんきらきらしていった。
今から思うと、そんな若いときにそんなにつける必要なかったなぁと気づけるけどその当時はそれが当たり前だった。
その当時の写真を見るといつでもガッツリメークで正直恥ずかしい。
そのピークは彼ができてしばらくしたころだとおもう。
今考えてもよかったなぁと思うのは、そのとき好きになった彼がとても誠実でとても素朴だったところ。
彼は私がそのころはまりまくって出られなくなっていたお化粧をしないほうがいいといってくれた。
素顔のほうがかわいいんだから、そんなにいつもいつもする必要ないとたしなめてくれた。
彼のことが大好きだった私は徐々に徐々に彼このみのおんなのこになっていく事ができた。